建物の外観は、昭和の往時そのままって感じですが、内部の１階のフロア—はおしゃれにリニューアルしています。まるで「デザイナーズホテル」という感じでサプライズです。部屋の窓からは「宮島館」という閉館した別の旅館が見れます。一方、風呂の窓からはお向かいの野趣あふれる山の緑の絶壁です。露天風呂には山中ゆえに、野鳥や蛾や昆虫たちが洗い場にやってきます。子供のころの夏休みの「昆虫採集」気分を味わえました。　
　食事は夕食も朝食も、野菜の煮物や炊きものがふんだんに出て、田舎のおばあちゃんの家に行ったときの料理みたいで大変おいしかったです。夕食の刺身は山中たりともさすが小矢部だけあって、新鮮でおいしい魚でした。ただ「大根のビール煮」なるものが刺身の下に敷かれており、ほとんどタクアンのような味と触感と外見であり、これは不要と思います。
また夕食は部屋食でしたが各々の料理が出されるのが遅く大変間延びしてしまいました。（ただ単にこちらが早食いなだけかもしれませんので　気になさらないでください）。それから、私たちの部屋の真向かいが、スタッフの配膳用の部屋で、しかも仲居さんが部屋のドアを開けっぱなにしているもんだから、スタッフの内輪の怒鳴り声や「数が違う」と叱責する声が、こちらに否が応でも聞こえてきます。次の料理が運ばれた際に仲居さんに「叫び声を聞きたくないので　ドアを閉めてください」とお願いしました。仲居さんは「承知しました。でもお料理をお持ちするときにドアを開け閉めする際の音がうるさいですよ」とのことでしたが、「かまいませんよ」をお伝えしました。
　温泉は外来者用に「銭湯の番台」みたいなところに、おばあさんが座っておられました。僕が風呂から上がって部屋に戻る時、おばあさんに「ありがとうございました」と一礼すると「ありがとうございました。ごゆっくりとお寛ぎください」と言葉をかけて頂きました。その言い方には、業務マニュアルではなく、自然な言葉の「やわらかさ」がありました。その一言で「ああ～いい宿にきたなあ」って思います。やっぱり温泉旅館って　施設設備や料理も大切だけど、最後は「ひと」だなと改めて感じますね。これどんな仕事にも共通することですね。ありがとうございました。

評価

• 総合4
• サービス4
• 立地4
• 部屋4
• 設備・アメニティ4
• 風呂4
• 食事4

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2016年08月