余りに快適な滞在だったので、チェックアウト時、
社長と思しきダンディな紳士に感謝の言を述べた。
社長さん曰く、ここまで見よう見まねでやってきたとのこと。
なんと謙虚な言葉かと思う。
ただの真似では、心意気と細やかさが融合した本宿の域には辿り着くまい。

浴槽は貸切も含め、新旧混在5つもある。
旧は味わい深い佇まい。
新は自宅の庭で入浴しているような心地よさ。
新で刮目すべきは さも手の込んだ改装であったことを窺わせる点で、
柱や植木などは一言「豪華」であり、
洗い場は ゆったりした空間に8つもある。風呂椅子のしっかりした作りも見逃せない。
アメニティは温泉リキッド(よくある類のもの)だけでなく
ヘアスプレー、ムースなど出し惜しみなし。心意気。

御手洗いに仄かに薫る御香や、室内灯をつけると天井に浮かぶ魚達の像など、
ちょっとした気づかいも十分。細やかさ。

料理は、大食漢でなければ全てを食せぬ刺身を横目に、
味覚の方針(甘、酸、塩)を素材に合わせた綺麗な品が、立派な食器で供給される。
美味であり、壮観なまでに美しい。

唯一の不満は週末に予約を取りにくいことだが、かくも魅力的ならそれもやむなし。
早めに予約をして、その日がくるのを楽しみに待つのも、旅の喜びの一環だろう。

評価

• 総合5
• サービス5
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ5
• 風呂5
• 食事5

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2017年02月