玄関で声をかけてくれた宿の方に宿の事を聞いたらその先の護摩堂を紹介してくれた。ここは聖徳太子創建の寺と聞いてびっくり、1400年前だよ！山岳信仰で野山を駆け回る修験者が宿を利用していたなんて鬼滅の刃の山岳修行が思い出された。丁寧に歴史にまつわる興味深い宿の話をしていただいた。記事で読むよりその場でお話を聞く方が格段にリアリティ・実感が違う。既にこの宿に来てよかったと思った。
「上、行かれました？紅葉が綺麗ですよ」と教えてくれたので早速上に行く事にした。宿からすぐの「吉野山奥千本口ライン」竹林院前バス停から乗り、奥千本口停留所下車すぐの金峯神社が急こう配でキツいが結構達成感がある。後は紅葉を見ながら歩いて下るだけ。11月始めだけに見頃はまだかなと思っていたが、高城山展望台付近は紅葉真っ盛りでとても綺麗だった。その下の花矢倉展望台が吉野山の街並が見渡せる有名スポット。
かなり歩き宿に戻るとすぐに「かもしかの湯」に入った。普通の大浴場だけどお湯加減が絶妙でゆっくり疲れを癒せこれだけで十分だった。昔の修験者もこうして一日の疲れをとったんだなと感慨深い。
夕食は旅館にありがちなオーソドックスな料理が出てきた。まあ古い宿だしこんなもんかなと食べてみると、いやいやいやいや、何これスゴい！想像を遥かに超えてめっちゃ美味しい！絶妙というか味を極めてる！上機嫌の私に気付いて仲居さんが声をかけてくれた。お料理の話もしてくれたし私の高評価を「励みになるので料理した方に伝えときますね」と言ってくれた。
ホント従業員の方々のお客が楽しめる様に気配り（おもてなし）が素晴らしい。さりげなくお客の要望を察してフォローしてくれる。これぞハイクラスな宿のレベルの高い従業員のスキル(ホスピタリティ)。
部屋も布団もオーソドックスだけどとても快適に休めた。角部屋だったので朝の風情ある街並みを楽しめた。朝のむささびの湯は、どこのリゾートホテル!?というギャップが凄いおしゃれな大浴場。しかも紅葉が綺麗。
庭でも見ようと玄関を出ると、他のお客たちがその先の階段を上って行く。続いて上ると宿と紅葉の素晴らしい景観が広がる。あれ？昨日の「上、行かれました？」はここの事!?紅葉を探しに出かけたが実は紅葉の真っただ中にいた。この宿のお陰で吉野の紅葉をすごく満喫できた。

評価

• 総合5
• サービス5
• 立地5
• 部屋4
• 設備・アメニティ4
• 風呂5
• 食事5

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2020年11月