この宿は若い。
その意味では未熟に思うし物足りなさもある。
ホテルニューアワジグループのできたてホカホカのリノベタイプ。
むろん見た目建物や設備は一部分を除いて新品同様。
同じタイプの淡路浜離宮よりも思い切ったリノベーション工事をしていると感じる。
グランドオープンしてまだ20日余りということもあり、
一生懸命のスタッフ達に新人感は否めない。
が、逆にシティホテルにありがちの、妙にこなれた感が無い。
むしろ初々しさと微笑ましさを感じるのは自分の歳のせいだろうか。
至れり尽くせりの完璧なサービスを望むのはまだ時期尚早といえよう。
食事に不満はない。
素材を生かしたものや丁寧に手の入れたもの、
山間の雰囲気を持ち味にした奇をてらわない味。
部屋付きの露天風呂は落ち着く。
意外といっては失礼だが、湯は良い。
そして、大浴場の方も同じようにも良い。
次の日、わが初老の膝がしらはいまだかつてないツルツルすべすべ感に歓喜した。
場所は、さほどの山奥でもなく、町の灯りが近いわけでもない。
正直、何もない。
取り囲む山々とせせらぎのような小川があるだけだ。
しかし、この条件が整うことで宵の暗闇に懐かしいモノが出現する。
そう「ホタル」の群れが川面と木々の辺りに飛び交いだす。
この時期、何よりの特典と呼ぶべきおもてなしだ。
ホタル、河畔風呂、星見テラス、足湯、囲炉裏ラウンジ、薪ストーブ、ダイニング、部屋付きの露天風呂に広いデッキ、ロケーションとハード面は文句ない。
ここは、只々喧騒を離れゆったりとして時間をもてあますだけの隠れ宿。
宿の持っているポテンシャルは大きい。
ただ惜しむらくは、それを生かすソフトがまだよちよち歩きの状態。
今後、成熟しこの宿ならではのきめ細やかなサービスや企画等が練りこまれる事で、この宿の魅力が倍増するだろう。
そのためにも、スタッフには一層の努力を期待したい。
「森の使い」ともいえる虫たちとの戦いに、心折れずに頑張っていただきたい。
いずれ、再訪した時の進化に期待したい。
まだまだ伸びしろはあると思う。

評価

• 総合4
• サービス3
• 立地4
• 部屋5
• 設備・アメニティ5
• 風呂4
• 食事4

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2017年06月