早朝始発列車の出る早岐駅の西口を出ると目の前にあるので鉄道旅行者には非常に便利です。その名の通りマイカーが普及する以前の昭和時代の駅前旅館といった風情です。2階の客室に上がる階段は姫路城天守閣のような急角度、和室の入口は横引き襖で鍵は棒錠１本、クローゼットの代わりに着物掛けが置かれており、床の間の掛け軸と壺が実にいい味を出しています。お風呂は家庭用サイズで浴槽は大人一人が丁度の大きさ。やや繋がりにくいもののＷｉｆｉやウォシュレットも導入されていますので、昔の雰囲気を味わいながら不足なく宿泊ができます。
　ただ、ご主人と女将はいろいろと世話をして下さるのですが高齢で、全体として部屋や布団はきれいなのですが着物掛けに埃が積もっていたり、浴槽の蓋が黒ずんでいたりと清潔さの面で細かいところまでは手が回っていないように感じました。あと、出発時は特に手続きは無いということで朝6時に出発しようとしたのですが玄関が真っ暗で電気のスイッチがどこにあるかわからず、事務所に声をかけても誰もおらず、真っ暗な中で玄関のドアの解錠方法もよくわからず、列車に乗り遅れそうになりかなり焦りました。
　とは言え３０年くらい前までならば地方の駅前にはこうした駅前旅館が結構あったようですが最近では廃業したり建て直してビジネスホテル化して姿を消しており、とても貴重な経験ができたと思います。

評価

• 総合3
• サービス2
• 立地5
• 部屋3
• 設備・アメニティ3
• 風呂2
• 食事-

旅行の目的

レジャー

同伴者

一人

宿泊年月

2020年11月