風情のある温泉宿でした。お風呂も同様に湯治場の雰囲気の漂ったいいお湯でしたが、あまりに個性の強い湯なので好みがはっきり分かれると思います。残念ながら私にはあのタール系の匂いが合いませんでした。お部屋はゆったりとした造りで掃除もきちんとされていて気持ち良かったですが、猛暑の時期エアコンが無いのはかなり厳しかったです。宿の造りからいっても客室には無理でしょうが、せめて食事会場だけにでも設置されたらと思います。固形燃料の火が流れてお肉が煮えないとのことで、一時は数台の扇風機すら止められてしまいました。朝食は普通においしかったですが、夕食はおいしくありません。特におさしみと天ぷらはまずい。肉料理などの品数は減らしても、湯治の宿としての特色を出すような味で勝負の料理を期待される方のほうが多いのでは。木造の宿の構造上当然のことですが物音は手に取るように響きます。襖で仕切られただけの部屋もありますので、元気な子供連れの方や賑やかなお客さんと泊まり合わせたら、ゆったりと寛ぐなんてことは期待できません。騒音は全く気にならないという人は何の問題もありませんが、物音に神経質な人にはかなり苦痛です。貸切の家族風呂の中にまで客室からの音が筒抜けだったのには驚きました。お宿の方の対応も丁寧で感じが良いですし、宿の風情もとても良かっただけに快適に過ごせなかったのが残念でした。