「温泉が一番プラン」一泊二食8,400円を利用しました。
　まず、食事が大変充実していました。夕食は部屋食で、12品の料理と赤米御飯が、次々と暖かい状態で運ばれて来ました。料理は、単に素材を器に盛っただけのものではなく、一品一品に十分な手間と工夫がうかがえます。また、盛付けにも気が配られていて綺麗です。さらに、漢方、薬膳の要素をを取れるなど、料理にこだわりを感じました。味は上品な薄味が基調で、満腹になっても、胃もたれ胸焼けは全くありませんでした。特に関西出身の小生は、大変美味しくいただけました。朝食は、風情ある大広間で、豪華な御膳でいただきました。
　建物は古い木造で、建付けの歪んだ箇所がありますが、それが古汚いというイメージは全くありません。むしろ、昭和の良き時代の温泉旅館全盛時代の名残がうかがえて、どこか大変懐かしいような、大変和んだ気分になれます。部屋は天井が高く、面積の割りに広さを感じます。また、鶯色、紺色の渋い塗り壁や館内に飾られた浮世絵、調度品などの内装は、「数寄者」のようでもあり「かぶき者」のようでもある、何か不思議な面白さを漂わせています。建付けの良すぎる現代建築に住む日常とは違った感覚が味わえます。
　お風呂は、露天風呂がないのが少々残念でありますが、内風呂は昭和レトロの雰囲気が楽しめて、満足しました。
　とにかく、8,400円という安値からは考えられないほど大変お得な宿です。
料理の味・量・質、手間・工夫は、黒川温泉の15,000円代の旅館群に劣らない、いや十分に勝っております。