酷暑の7月21日、中之条駅から路線バスに乗って「山口」バス停で降りる。日中はここも暑いが朝夕はやはり涼しい。ほんの少し歩いた左手に「いずみや」さんがある。ちょっと引っ込んでいて、間口が狭く建物も地味なので見過ごしてしまいそう。
まず貸切風呂を試す。地下1階で、階段しかないので3Fからの往復は年寄にはきつい。四万川に面した浴室は、対岸から丸見えである。御簾を降ろせば大丈夫だが、女性は浴室に入る際に注意したほうがいいかもしれない。さらに驚くのが湯の熱いこと。「源泉で熱いので、必ず水で調節してください」の案内があったことを思い出す。水でうめてうめてやっと入れた。いま思えば、貸切風呂は、風呂のない部屋用と考えて遠慮すべきだったかもしれない。
客室は天水。3Ｆのせいか、部屋風呂はここまで熱くないのだが、やはり入る都度水でうめる必要がある。せっかくの源泉を薄めるのはちょっともったいない気がする。
館内は和モダンのレトロ感と最新の設備が両立され居心地、使い勝手ともよいが、天水の部屋は、洗面台が浴室内にあってやや使いにくい。半露天風呂は、開放感は劣るが、きっと雪景色を楽しみながら寒い思いをせずに入れる。
食事は朝夕ともとてもよいが、特に朝食は素朴な山の幸の取り合わせで地産の味がより楽しめた。殊にご飯のうまさには驚嘆！粒が大きい、何か特別な米だろうか。やや残念なのがデザート。季節的には地元の果物でも出せばいいと思うのだが。自信をもって、加工品など一切いらないと思う。
「いずみや」さんには必要なものは揃っているが、接客、サービスは淡泊である。欲しければ自分でやる。一方、チェックインは14時でアウトはなんと12時。マイペースで自然と温泉を楽しむにはこれにしくはない。現代の湯治である。
草津や伊香保に比べ娯楽施設がない分、温泉三昧には格好である。山の幸をたらふくいただき、轟々たる四万川の音を聞きながら温泉に入り、空を見上げれば赤とんぼの群れ、自然と温泉だけでなにもしない豊かさ。そういう価値観の人が来るところである。
余談だが、JRバスの「ゆめぐり号」で四万温泉に行こうとされる方、「中之条駅入口」バス亭で下車、中之条駅前から路線バスに乗換となるが、駅までゆるい上り坂で約200M、さらに跨線橋を越えた北口が乗場である。知らずにひどい目にあったので敢えて記しておく。

評価

• 総合5
• サービス4
• 立地5
• 部屋4
• 設備・アメニティ4
• 風呂4
• 食事4

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2018年07月