この度、当館はお客様の大きな信頼と期待を頂き、ご両親様の金婚式という大切な慶事を祝う場としてお選びいただきました。お客様の優しいお気持ちを、最高のおもてなしサービスというカタチに変え、ご両親様を祝い、笑顔にする役割を託されました。しかし大変残念ながら、私共のサービスが至りませんでした。先ず以て心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

ご両親様には最上階角部屋を用意させていただき、夕食はお部屋食でした。お酒を飲まれるため、食事ペースはゆっくりとお父様より伺いました。仲居なりに食事ペースを計算し、開始から1時間半後に食事のご用意をしましたが、お出しする直前にご飯が遅いとお叱りの電話がフロントにございました。単にご飯が遅いだけではなく、お酒を飲んでいる方とそうでない方への同時配慮、後出し一品一品の適度な間隔など、気付かぬ間にご不満が募っていったものと拝察します。徐々に変化していったであろうご両親様の感情の変化を、仲居が見抜けませんでした。
セキュリティーのご指摘につきましては、お部屋食の場合、料理運びの際に入口のドアを開放したままにさせていただく場合がございます。こちらも係が少しでも部屋を離れる際は、お客様にお伝えするか、或いは必ずドアを閉めるなど、再度仲居に指導が必要と感じております。

翌朝、女将がお見送りをさせていただき、その後総支配人がご自宅へ訪問させていただきました。ご両親様の表情はとても穏やかで、特にご自宅訪問時はわざわざ玄関外でお待ちいただき、大変丁重にご対応いただきました。しかし、その極めて誠実で良識あるご両親様であるからこそ、お二人を感情的にさせてしまった当館の不手際を身に染みて感じ、全ての否は当館にあると猛省している次第でございます。個人レベルでおもてなしアンテナの感度を上げることは、一朝一夕で出来る事ではございません。先ずは華鳳が受ける信頼と期待を一人一人が自覚し、それに応え得るサービスレベルを向上し、感性を培ってまいりたいと存じます。

甚だ勝手ではございますが、是非挽回のチャンスを賜わりたく、またの機会をお作りいただけましたなら、これに勝る喜びはございません。皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。

白玉の湯 華鳳
穴澤