純然たる民宿。その原初的な理念を大切にして下さつてゐるやうです。この度は、一人一客で予約させて頂きました。ご夫婦で御相手をしてくださり、知人の家にお呼ばれされた感興にさせて下さいました。お料理は、完全な山菜で、輪島塗の漆器により饗され、ほとんど地元産の菜は数へきれない位で珍品もありましたが、ゴーヤなども調理の伝統に上手に調和されてました。小ぶりのヤマメもゴリも、目前の炭の囲炉裏で生から焼き出され、非常に美味しいものでした。
翌朝、車を出発させたところに、ご主人がお勤めから一時（？）帰宅されました。心残りなのは、なにを考へごとしてゐたのか、そこで車から降りて、ご挨拶しなかつたことです。小学校舎の宿を見せて頂いたりできたのにと、それと、「春蘭の里」の美酒を求め忘れたことに後で気づき、後悔いたしてをります。惚けかな！