駅前の飲み屋街の真ん中のひときわ薄汚れた古いビルでした。エントランスの左脇はピンサロ、右脇はたこ焼きやで、夜中にはホテル前にも客引き女性が立っていたりするので、入るのにちょっと勇気がいります。薄暗い通路の奥がロビーになっており自動販売機や旧式のゲーム機が置かれたつきあたりにフロントがありました。受付の人たちは、てきぱきとした感じはありませんが、誠意溢れる対応で親しみを感じさせてくれました。１５センチもある角棒状のホルダーについたルーム・キーを渡されて気分はすっかり昭和へタイムスリップです。
　二つあるエレベータのうちの片方は省エネのためか運転しておらず、動くほうも、ひどく動作がのろく、ぎこちなく、イライラさせられました。エレベータから降りたフロアはスチールのルームドアが並んであたかも一昔前のワンルーム・マンションの風情。でも部屋は清潔で一般的なビジネスホテルの軽く倍はある広さです。ドライブ旅行したアメリカの田舎のモーテルを思い出しました。約２０畳のフロアで衣類や携帯品を整理し、ゆったりと過ごせました。
　苦情を言えば、テレビのリモコンの感度が悪くボリューム・コントロールもできなかった。部屋にお茶の用意が無い。時計も無い。風呂の掃除が雑で、髪の毛や下の毛がバスタブにへばりついていた。ドアを無造作に閉めるとすごい音が出た。など、ありますが、小さなことです。
　部屋代の安さと、レトロなくつろぎ感と、夜遊びの至便性と、スタッフのホスピタリティーとを考えると神経質な人以外にはオススメのお宿です。