妻の父、私の母、妻、長女、次女、私の計６人でお世話になりました。１３階の角部屋に案内されると、そこは純和風のお部屋が３つもあって、大窓からワイドに広がる、まばゆいばかりの伊勢湾の絶景と、大きく膨らんだ座布団のお出迎えに「ワイワイ、キャーキャー」の歓声しきり。確かにそうでしたが、ややあって妻が「うそでもいいから、ちょっとは、お上品に！」と申し伝えたほど。部屋から出れば３階から、魅力的な小路が海に向かっています。導かれるままに歩いて１分、坂の途中で左手に発見したのは、６つの無料貸切風呂。手前から順にイイ湯につかります。この坂道をさらに登ればもうひとつ風呂があります。引き返して館外に出れば、プールで泳げたり、海辺や緑を散策できたり、夜は花火を見れたりで、チェックインしてから夜半まで、あっという間の出来事です。とても６時間では回りきれない感動と発見があります。お部屋も同じです。戸田屋オリジナル焼酎を飲みすぎた私は、５人の批判を避けるべく、ひときわ落ち着きのある四畳半にこもることができたんです。夜景に囲まれて私に悠久の時間をすごさせた貴重な体験です。お部屋のテレビでは戸田屋のサービス案内や、由緒ある歴史が放映されていました。このテレビのホテル案内は海外ではよく見受けますが、日本の旅館では初めての経験。食事は東雲の間。東雲の間の前にあったのが、大きな戸田屋の蔵。伊勢が空襲にあって、焼け野原に一つ残されたこの蔵は、当時の人々の復興の励ましになったそうです。ご主人は、ひとり戸田屋だけの繁盛を考えたわけではない、全体国家の繁栄を考えなさった。創業当時から戸田屋さんのスケールの大きさを感じさせます。と同時に、蔵の説明をしてくださった従業員さんに「戸田屋の誇り」を見たことも、もうひとつの感動です。お部屋でいただいた「あわび」と「伊勢海老料理」、それから、ちょっと贅沢な時間と空間。幸せだから感謝できるんじゃなくて、感謝できることが幸せ。家族で親孝行できた至福の一日でした。ありがとう。またうかがいます。