深谷の辺りは、お店でも私が子供の時に見かけたような字形の看板が見られます。また、その時私の父が会社の宅地を借りていて住んでいたその家の旧式の雨戸がまだ残っていたりと懐かしい感じがしました。タイムトリップしたような感じというのは私にはそれでした。こちらの旅館の入り口近くの看板辺りの柱など見ますと、明治天皇がお泊りになったとか。また、別の柱には太宰治のことばが書かれていたりと、偉大な文学者のまつわる宿なのかなあと思いました。　　　　食事の時、紙製のアメニティに印刷されたものを見てびっくり。百八十年もの歴史のある旅館なのですね。それから例の柱を確認したのでした。食事も、この旅館からきちんと出る食事を二食いただきました。セレブと共にという様な生活をしていませんので、知った風には言えませんが、私の場合には美味しくいただくことができました。夕食の後は部屋に帰ってから用意してあった茶の湯をじっくり味わいました。　　　　温泉もあって、他の温泉のようにじゃかわしくないのが自分には良かったです。温泉の入り方には色々あるようですが、このトロン温泉についての入り方が大きく掲げてあり大いに参考になります。自動販売機も浴場を出てすぐの所にあるので、飲み物を飲んでリラックス。のぼせなかった。　熊谷の辺りは、最高気温を記録する所としてすっかり有名で、私がこの土地を訪ねた時も物凄く暑かったのですが、この旅館の部屋に入ったときから冷房がついていて快適でした。　　　この旅館の近くには川があり、涼やかな流れで、どうなっているのだろうかと散歩を楽しみました。　　　色々とホテル、宿についてのアンケートの中には、私はこの手の旅館は苦手だが、一概には言えなく、好きな人もいるのではないかと思います、というのを見たことがあります。私は、大丈夫なほうのタイプなので、旅を楽しむうちの宿の部分としては十分でした。もともと、旧式の部屋に興味があったということもあるのでしょう。　　　　　　部屋に備えてあった深谷市のパンフレット等には、渋沢栄一の地などとあります。まつわる史跡なども紹介されていて、本当に行ってから気がつきました。　　それらの敬意が宿にもプラスされているという感じです。　　　　　　　　　　熊谷駅から数駅のホテルや宿でいくつか候補があったのですが、私は最初にこの宿にして良かったと思っています。