予約した2階の客室ではなく、庭付きの1階の客室へグレードアップ(?)していただいていたようです。記念日旅行の旨伝えてあったため、サービスだったのでしょうか？　お陰様で縁側で寛いだり、庭先のモグラ穴やひょっこり顔を出していた筍、軒先からぶら下がる蓑虫を愛でたりして、のどかに過ごせました。
　ただ、この庭は隣室との間に垣根等がない一続きですので、お互いに注意が必要そう。部屋入口の鍵が簡単な造りである点なども、防犯やプライバシーに敏感な向きには気になるかもしれません。
　評判のお料理は期待が勝ちすぎたのか、「ぜひまた食べに来たい！」という感激にまでは至りませんでしたが、器も含めて盛り付けがたいへんに美しく、「日本料理は目でも味わうもの」ということを強く再認識させられました。
　仲居さんも、よく勉強しておられるようです。料理内容や食材への質問にもきちんと受け答えできる姿から、厨房との連携の良さ、ひいては宿全体のプロ意識の高さが伺えました。　
　アレルギー食材に対応していただいたせいか、多少の手違いはあったものの、食事面はほぼ満足です。飲食業に関わる者として、良い勉強・刺激になりました。ありがとうございます。
　食事面以外でも、立派な門構え、ゆとりある造りの館内、客室の檜風呂、至る所の生け花、仲居さんの美しい所作や言葉遣い、凛とした女将さん等々、品格あるお宿と実感する場面は多々ありました。でも、非常に残念に思った点も2つあります。
　1つは、宿泊前に遣り取りしたメールで当方の宛名が間違っていたこと。些事ではありますが、「このお宿、大丈夫かな？」と少々不安になりました。
　そして2つ目は、浴場の設備。貴重品ロッカーの鍵が開かなくなり、苦労しました。素敵なお宿に貼紙は無粋かもしれませんが、取説があれば助かったのにと思います。また、深夜で帳場が閉まっており、スタッフに連絡しようにも浴場にも探し回った館内にも電話がなく、客室の鍵はロッカーの中で、客室に戻ることもできず。先に寝ていた連れが目覚め、浴場から帰って来てないのに気付いて鍵を開けてくれなかったらと思うと……。
　浴場は最も無防備になり、危険も多い場所です。万が一に備えて、帳場直通のインターホン設置は必須なのではないでしょうか？　ぜひご一考願いたく存じます。

評価

• 総合4
• サービス4
• 立地2
• 部屋5
• 設備・アメニティ2
• 風呂4
• 食事4

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2010年05月