お宿は道路のどん突きにあります。
中年(吾輩と同世代)のおぢさんが一人で賄っています。
「部屋はこちらになります」と言われ扉を開けると、2匹の猫が先客としてくつろいでおり、思わず悶絶しそうになりました。ここはイーハトーブの世界かっ！
お宿は全部で4部屋あるのですが、うち2部屋はスズメバチが巣くってしまって制御不能の憂き目にあっております。その為、今は楽天用に1部屋、急な来客用に1部屋、計2部屋を使っているそうです。

噂にたがわずボロ宿です。タイ・バンコクはカオサン通りの東にひっそりと佇む、極貧バックパッカー向けゲストハウスと何ら変わりません。
しかし吾輩は、貧乏学生時代に化繊寝袋だけ持って日本一周野宿ツーリングした事が旅のルーツです。宿に対するストライクゾーンは、ビッグバン以来膨張を続けるコスモスの如く広い。…「オーケー、上等ぢゃないですか！」。

温泉から出て部屋で油を売っていると、ガタガタ揺れる音。「さては食事の用意か」と入り口に目を向けると、猫がニョキっと2本の小さい前足で引き戸を開けて再び部屋に入ってきました。

昭和のまま時間が止まってしまったような建物と室内、心尽くしの食事、ぬらりひょんとした温泉、訥訥と話しながら飽きさせないスピリチャル系オーナー。立派なホテルではないけど、本物のお・も・て・な・し が、間違いなくここにあります。

夜中に再びガタガタという物音で目が覚めたところ、三度またたび、にゃあと猫が引き戸を開けて部屋に入ってきたのにはたまげましたが…。

追伸：夕食の刺身は主に「きびなごorたちうお」だそうです。その理由が知りたければ、この桃源郷に泊まりオーナーにぜひ尋ねてみて下さい。

評価

• 総合5
• サービス5
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ3
• 風呂5
• 食事5

旅行の目的

レジャー

同伴者

一人

宿泊年月

2013年10月