久慈市に泊まるのは初めてでしたが、この宿を選んだのは大正解でした。オートバイで出かけたのですが、到着するなり、オートバイを旅館の玄関の中に入れさせてくれたのには驚いてしまいました。これまでに宿泊したどの宿でも、可能な限り、オートバイが雨に当たらないように配慮していただきましたが、これほど完璧に大事にしていただいたことはなく、感激してしまいました。
　檜の木目が美しく磨き込まれており、手入れの行き届いた歴史を感じさせる宿は、それでいて全く気取ったところのない気軽に利用できる宿でもありました。玄関に置かれた靴が雑多に並んでいるのも、受付が隣接する喫茶店になっているのも、食事場所が喫茶店になっているのも、利用者のためにコストを抑え、かつ主自身が責任あるサービスを提供するためのこだわりだと確信しました。
　部屋の暖房にこたつとファンヒーターが使われています。こたつを利用するのは数十年ぶりでしたが、その懐かしい暖かさに、我が家でも使いたくなってしまいました。
　お風呂は浴槽が小さいですが、十分な湯量のシャワーに数多くの種類のシャンプー、リンスの準備があること、バスタオル、タオルも気に入ったものを選んで使うことができることなど、すっかり楽しくなってしまいました。結果、自分の家以上にリラックスして、ぐっすり眠ることができました。
　考えるに、この宿の魅力は、主のもてなしに関するこだわり、気配り、家族の協力によるところが大きいと思います。サイホンで丁寧に入れられたコーヒー（別料金ですが、是非飲んでみてほしいと思います）、ボリューム豊富で手の込んだ家庭料理、使い捨てアメニティの充実、無線ラン、３２インチのテレビの導入など、確固たる信念で生き残りにかけている情熱を感じました。
　
　市内を散策しました。震災後ということもあって特に東北の地方は疲弊していますが、中には新しいアイデアでイベント（リアコンでしたか）を仕掛けたり、確かな品質で行列のできるラーメン屋などもあり、繁栄への強い意志を感じさせる息吹も確かにありました。


　もう一度泊めていただく日を楽しみにしております。

評価

• 総合5
• サービス5
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ5
• 風呂5
• 食事5

旅行の目的

レジャー

同伴者

一人

宿泊年月

2012年04月