この度は、数ある宿の中から、当館をご利用くださいまして、誠にありがとうございました。

ご滞在中は館内アンケートにご協力くださった上、「お客さまの声」にもご投稿くださいましたこと、丸栄一同、心から感謝と御礼を申し上げます。

館内アンケートでは、ご満足のご評価を賜り、特に接遇サービスの項目では、高評価を頂戴し、お部屋係には本人の名前を添えて、心温まるお褒めのお言葉をお書きくださいましたので、宿の皆で喜びを分かちあっておりましたところ、この度のご投稿内容を拝読し、非常に驚いている次第でございます。

当日は、あいにくの雷空と集中豪雨が重なり、楽しみにされていた客室露天風呂がご利用になれず、さぞ残念なお気持ちだったことと存じます。
せっかくのご旅行も、あのような天候の中では、晴れ晴れとしないお気持ちのまま、ご来館くださったものとお察し申し上げます。
ご指摘の屋根の件につきましては、お客様の貴重なご意見として真摯に受け止め、将来に渡る設備投資の際の参考にさせていただきたく存じます。

この度のご宿泊に際し、十分なご満足をご提供することが出来なかった点につきましては、大変申し訳なく、恐縮に存じております。
しかしながら、そのことで、女将や若主人の思いをこちらの本意でない感覚で捉えられるのは、当館に長く仕え、経営陣の日々の努力と苦労を誰よりも知る私たち古参従業員としては、身を切られるよりも辛いことでございます。

旅館の主人として、会社の経営者として、地域のリーダーとして、あらゆる責務を遂行しながら、館内の全てに心血を注ぎこみ、わずかに残った1グラムの体力・1ミリの気力を振り絞り、大切なお客様へ感謝の気持ちをお伝えしたい一心で、女将はご挨拶やお見送りに励み、若主人は紙芝居を懸命に演じております。
お客様には、是非とも誤解を解いてくださいますよう、伏してお願い申し上げる次第でございます。

当館は、これからも、お客様に愛される宿を目指し、不器用でも一生懸命に、一歩一歩努力を重ねてまいります。

ご機会がございましたら、是非またお目に掛かれますよう、再度のご来館をお待ちいたしております。

不安定な気候が続きますが、どうぞ、お体を大切にお過ごしくださいませ。
ありがとうございました。