伊香保温泉の石段下からは少々離れたところにあり徒歩で15分程度、路線バスの見晴下バス停からは10分ほど、伊香保の街特有の斜面に立てられた昭和のモダンな造りが感じられる鉄筋コンクリートのお宿でした。

建物は相当の経年劣化があり、正直、近年の小洒落た綺麗な宿というわけではありませんが、客室を一軒家に、廊下を通りに見立てた各部屋の扉や軒先などの造りは、昭和の流行を感じさせてくれるものでした。また、全体的に手入れや清掃はしっかりとなされていました。

温泉の大浴場は内湯しかないものの夜通し入れるため、ほとんど他の人と顔を合わせることなく、ゆったりと入浴することができました。
貸切りの露天風呂は建物から裏手に出たところにあり、2つある脱衣所の扉のどちらかに貸切り札をかけて内側から鍵をかける仕組みで、脱衣所の先にはお湯がどばどばと注がれている湯船があるだけの非常にシンプルなものでした。洗い場がないため、湯につかる以外は大浴場のほうで済ませておく必要がありますが、眼前にはライトアップされた石積みの石垣があり、ワイルドな気分を味わうことができました。

部屋での夕朝食は、すべての料理が一気に提供されてきますが、他の人を気にすることなくのんびりと頂くことができました。すき焼きプランの夕食はすき焼きのほか鉢ものがいくつか並び、なかでも煮魚はしっかりと味が染みていて美味しいものでした。メインの上州牛のすき焼きは大ぶりな柔らかい肉が3枚あり、こちらもとても美味しかったです。贅沢を言うなら沢庵や漬け物の小皿があると、口がリセットされてよかったなぁ、と感じました。
また、せっかく色々と料理が並んでいるのでお品書きがあると、よりわかりやすいのではないかと思います。

気になった点としては、寝具の枕、それとユニットバスタイプのトイレ・洗面にかけてあったタオルが、生乾きのにおいがして非常に臭かった点です。

施設の劣化は大いに気になるところですが、従業員の皆さんは雰囲気よく、ロビーにはうさぎのティモシーちゃんが、表の玄関脇の止まり木にはフクロウさんとミミズクさんがじっととまっているなど、他とはだいぶ趣が違うお宿で、金額的にもう少しお安いと気軽に利用できるなぁ、と感じました。

評価

• 総合4
• サービス4
• 立地4
• 部屋3
• 設備・アメニティ3
• 風呂4
• 食事4

旅行の目的

レジャー

同伴者

一人

宿泊年月

2022年11月