まず、ホテルの近隣飲食店は店の個別判断でなく、組合として飛騨地域外の人の入店を拒絶しているため、素泊まり利用の場合は、夕食・朝食分の食料を確保しておく必要がある。徒歩圏内にコンビニはない。
昼間観光中誰でも利用できる食堂を見かけても、日帰り客がターゲットのようで、午後３時頃には閉店してしまう。おそらくこの地域では、スナックやクラブ以外の居酒屋や食堂も、近距離の濃密な接客が標準か、ひそかに市民に域外に出ないよう強力な規制をしているのだろう。旧古川町は「飛騨はお休み中」宣言のままであると言う感じ。
ホテルは年季が入っているものの、十分な広さがあり、飛騨市の振興援助抜きの宿泊金額でもお得。タバコ嫌いには耐え難いかもしれないけれど、窓を開け、部屋と浴槽の換気扇を回しておけば気にならなくなると思う。個人的には昭和時代のホテルや国鉄車両の懐かしい匂いだった。平常時なら最上階の大浴場等も利用できるのだろうか。浴衣で全館利用できるので、旅館と同じくつろぎ感はある。トイレ・バスは階段一段分ほどの高さがあるタイプ。浴槽は今のハイクラスをうたうビジネスホテルくらいの大きさがあり窮屈さは感じられない。ヘアトニック・リキッド・ローションが瓶入りで鎮座している。貴重品金庫も備え付けられている。椅子はタバコの火が落ちたと思しき後はあるものの、宴会場でよく利用される形のもの。
コロナ対策で、ロビーは滞在不可かつ検温もするほどの徹底ぶりだが、売店は利用できるようだし、部屋のテレビリモコンは殺菌消毒しないらしく汚れていた。まさに頭隠して尻隠さず状態である。ホテルで頂けた地域振興券を対象店舗で提示したら、バラの状態の券は無効という始末。飛騨の人は生真面目の人が多いと聞くけれど、今回はそれが悪い方向で出てしまっている。まちなか観光案内所の人の説明はよそでは期待できないほどの親切丁寧さなのに。市の観光課を中心に、飲食・宿泊観光業界全体で連携した合理性のある対策を取らないと、この先世間全体の観光需要が回復しても、この地域はじり貧になるのではないか。日帰り観光に特化して宿泊を伴う観光を切り捨てるなら、それもいち方策だけど。ホテル側の人は読んでいないかもしれないが、皇族宿泊利用の実績もあるくらいだし、観光業界で相応の発言力はあるだろうから、地域での実のある議論を促すことを期待したい。

評価

• 総合5
• サービス4
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ4
• 風呂-
• 食事-

旅行の目的

レジャー

同伴者

一人

宿泊年月

2020年07月