熊取町に会社があり、残業時の宿泊先を楽天で探しているときにヒットした。一人客を受け入れてくれて、部屋食の温泉宿がこんな近場にあることに驚き、残業なしの日に宿泊した。
　率直な感想は、すごくレベルが高い。でも、平日とはいえ、客が少なすぎる。
　欧米人客が求めてやまない静けさがここにある。目の前にせまる対岸の森が音を吸収しているのだろう。夜の露天風呂に聞こえてくるのは、前の小川のせせらぎの音ばかり。朝もその音で目が覚めた。それが関空から３０分の立地にある。
　肝心の温泉も、源泉掛け流しではないが、スルスルと滑らかな肌触りで、上質の入浴タイムを味わえる。
　外国人の高級顧客（＝マナーが良い）にとっては、日航、ＡＮＡ、リーガ堺をしのぐ魅力的な宿なのではないか。関空に近いので、北京や上海の奥座敷としての使い道もある。
　アメニティなど、細かい要望を部屋のアンケートに残したが、国際観光旅館としてのコンサルを一度受けられたらどうだろうか。シロートながら、私が提案させて頂くのは、温泉ライセンスコース－無料－。大浴場の使い方やノボセ対策などを１５分ほどでレクチャーし、外国人が温泉に対して持つ不安を解消。ガイドは大浴場に同行し、実際の入浴場面でアドバイスし、また、質問を受ける。入浴後は、免許(温泉知識や注意事項をコンパクトにまとめた冊子)の授与式。これさえあれば、日本中どこの旅館に泊まっても、日本の温泉文化を堪能できる。外国人の入浴マナーを偉そうに批判する日本人と会わなくても済む。
　日本の温泉デビューの宿として、また、日本の旅の最後に旅情を深める宿として、ここがその役割を担っていただくことを望みます。

評価

• 総合5
• サービス4
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ3
• 風呂5
• 食事4

宿泊年月

2009年09月