あすかのおとう様、この度は、当館をご利用いただきまして誠にありがとうございました。
しかしながら、50年ぶりにお越しいただいたにも関わらず、ご期待に沿えず、私どもも本当に残念でございます。
たしかにお部屋はご指摘の通り、細かな修繕が出来ておりません。私どもの不行き届きによるところもあり、心よりお詫び申し上げます。
また、施設全般に関しましても、多くのお客様にご迷惑をお掛けしており、決して胸を張れるものではございません。
ただ、これでも私どもは何とかこの“古宿”を“ぼろ宿”にしないよう、できるだけ古いまま残して行こうという考えで修繕を重ねてまいりました。
古い物を新しくすることは簡単でございます。しかし、同時に私どもが大切にしてきた古き良き佇まいというものが失われていきます。
お部屋にご用意させていただきましたスタッフへのお手紙も拝見させていただきました。私どもの考え方が違っていれば、あの建物は取り壊され、思い出を懐かしむこともできなかったのではないでしょうか。
お部屋だけでみれば確かに高いと言われても仕方のないところではございますが、質の高い温泉、丁寧に手間暇かけたお料理、至らずとも一生懸命なおもてなしで、何とかご満足いただいております。
今回はお１人様ということで割高になりましたこと、ご容赦下さいませ。
お手紙に「また機会がありましたら利用させていただきます」と、お書き添えいただきましたこと、大変嬉しく思っております。
スタッフ一同、またのお越しを心よりお待ち申し上げております。
ご投稿ありがとうございました。