台風通過により予定していた飛行機が欠航となり、「旅の窓口」を経由せず、当日電話で宿泊の申しこみをしたことをあらかじめ申し添えます。
　シティホテルを名乗りながら、全然気取ったところのない、むしろ庶民的なホテルといっていいでしょう。裏返せば、もうひとつプッシュが足りないという側面も見受けられます。
　空室確認の電話を入れると、ハイトーンの明るい声による応対がなされ、安心感を抱きました。
　朝食は５００円と１、０００円の２種類があり、私がいただいた前者で十分満足のいくものです。
　温泉は公衆浴場のためスペースはそこそこありますが、必ずしもくつろげる場所とは言えないでしょう。
　お部屋も悪くはないのですが、まだまだ改善余地があるはずです。「現状でよし」とするなら、残念ですね。女性社長さんの細やかな心遣いの見せ所ではありませんか。　
　チェックアウトを終えて敷地の外へ出ると、民家に行き当たります。そこには人目を引く青紫のあさがおが外壁を形づくり、トンボが思うがままに跳ね、黒い蝶が雅やかに舞っています。
　どうしてこの国分らしい光景をホテルの敷地内に取り込めないのか、駐車場を多少削ってでも……、いや無理な注文のようですね。
　１０日泊。