関西圏のものにとり、伊豆長岡っていかにも温泉地らしいひびきなので、つい湯煙の立ち上る温泉場を想像していました。全く裏切られのだが、これは僕の情報収集不足ということです。ホテルの部屋が少し古びているのも、仕方の無い事です。部屋においてある湯のみ茶碗が、前の利用客の口紅で汚れたままだったのは、いかにも不潔で、ホテルの印象を非常に悪くさせてしまいました。最悪だったのは、料理。ふぐの薄作りは、何故か火を通してあり、白く不透過になっていて、まるで古びたゴムを食べたよう。一人用のふぐ鍋に入っているふぐは、すでに湯掻いて味の抜けてしまった代物、パサパサ、かさかさで腹が立つほど。１１品と言ううたい文句通り、数だけはそろっていたが、一言で言うと、「陳腐」以外の言葉が思いうかばない。