とってもひなびた旅館で、雰囲気は落ち着いて寂しいくらいでした。建物自体と各種備品類は、良い意味でも悪い意味でも歴史を感じさせましたが、手入れは結構行き届いていて、大切に使っている感じがしました。従業員の方の平均年齢はかなり高そうで、それが多少の寂しさを感じさせましたが、だからっといってサービスに不足があった訳ではありません。夕食は一人ではとても食べ切れない量とバリエーションで、ヴォリュームは満点。旅館の料理らしい盛り付けは、手馴れた感じで見た目の雰囲気は十分にありました。ただ、海の魚介類を使った料理の材料に、グレードの低い冷凍食材を使用している事を感じさせる物があって、それがチョット残念でした。山の中の旅館なので、海の魚介類の料理は新鮮な材料が手に入り難いのは理解できますので、川の魚介類と山菜に材料を絞って料理を考えた方が客に喜ばれるのではと思います。朝食は、さっぱり系の和食で量もほどほど、可も無く不可も無くって感じでした。ただ、夕食にも朝食にも、飛騨名物の朴葉味噌焼きが出ましたが、使用していた固形燃料が小さすぎたのか、朴葉の下に引いた金網をアルミホイルで巻いたものが厚すぎたのか、焼きが全然足りませんでした。たまねぎの生焼けはチョット勘弁って感じでした。温泉は、温泉特有の硫黄の臭いも無く透明で、もう少し温泉らしい感じがあったらベターかなと、これは無いものねだりに近いですが。部屋の空調はしっかり効くし、部屋の保温力もあって、寝てる間は空調を切っていましたが、朝起きた時もそんなに寒さは感じませんでした。トータルな評価としては、アットホームな雰囲気があって、ひなびた感じの温泉旅館で、人数の多い家族向け、若しくは宴会目的の団体向け、静かな宿が好きな方に向いた旅館だと思います。