建物やロビーは古かったが、部屋はきれいだった。でも障子紙が破れていた。部屋には除湿器や電子蚊取器、消臭スプレーなどが置いてあり、気が利いていると思った。部屋のトイレは新しく、壁の下半分に桧の板が貼ってあり、ほのかに良い香りがしてさわやかだった。

お風呂は良かった。特に早朝に入った桂の湯の露天が特に印象に残った。景色を眺め、雨と川の音を聞きながらお湯に浸かっていると、本当に気持ち良かった。

接客は素朴な感じで好感が持てた。特に部屋担当の仲居さんは明るく親切な方で、気持ち良く過ごせた。でも中にはちょっと朴訥すぎて愛想がないように感じられる人もいた。
翌朝は雨が降っていて、８時前に宿を出なければならないのに、傘を持ってなかった。購買部の開店前だったのでフロントに行き、購買部で傘を売ってるか聞いたら「ないと思う」と言われた。次に朝食の会場で配膳係の人に同じことを聞いたら「ないようだが、路線バスの中で売っている」と教えてくれた。念のため朝食後に購買部へ行き、開店準備中のおばあさんに聞いたら「ある」と即答された。それで部屋にお金を取りに帰り、購買部へ戻って、ようやく傘を手に入れることができた。フロントで傘を売ってたら話が早かったのにと思う。ちなみに連れはサービス業の仕事をしているのだが、自分だったら傘を貸すと言っていた。

食事は量が多くて、おいしかった。夕食に出た山菜料理が新鮮だった。「みつ」なんて初めて食べたし「ばっけみそ」は特に気に入った。ただその場で焼くステーキが少し生臭く感じられた。肉のにおいは食事の後も部屋に残ったので、備え付けの消臭スプレーを何度か使った。こんなことなら評判の良い前沢牛のしゃぶしゃぶにすればよかったと後悔した。
あと宿泊予約の際、備考欄に「夕食の魚は川魚をお願いします」と書いたのに、出て来た魚は刺身だった。普段は口にできない川魚を楽しみにしていたし、昼に釜石で刺身を食べたばかりだったので、ものすごくがっかりした。備考欄の内容を見落としていたのなら、チェック体制に問題があるのでは。こちらの依頼方法が間違っていたのであれば、どうすればよかったのだろうか。