チェックインのときから部屋への案内、禁煙室の手配など自然な心遣いが感じられました。特に、有馬の金泉、それも天神源泉の風呂はすばらしく、前年にほかの旅館に泊まったときに、金泉とはこんな程度のものなのかなと感じた印象を払拭してしまうくらい良かったと思います。大浴場も清潔感がありました。また、チェックアウト後に、有馬温泉駅まで歩いていくときも、若女将だと思うのですが、お一人で、ごく自然なしぐさで、こちらが見えなくなるまで見送っていただくなど、おくゆかしさも感じられ、日本の旅館としては最上級と言ってもいいくらいだと思います。

夕食は、“一本釣り 大間産・本まぐろと吹寄せ会席”の宿泊プランだけあって、八寸や造りをおいしくいただけました。本鮪も、釣りで、縄ではないのだと思いますし、帆立貝は間違いなく最上級。ただ、満室の土曜日に宿泊したせいなのか、調理場の都合なのか、お凌ぎの後、中皿、温物、強肴が、逆の順番に出てきたのはまだしも、留鉢を忘れられ、食事が終わった後にそのことに気づいて指摘したら、すでに果物が並べられているのに、留鉢を持ってこられたのにはかなりびっくりしました。炊込み茸御飯も柔らかすぎだったので、朝食を心配していましたが、朝食は、海苔を焼くパフォーマンスも楽しめ、おかずもおいしく、御飯もちょうどよく炊けていたので満足できました。

チェックアウトも昼となっており、直前まで金泉につかれたのも良かったところです。あとは、たいてい夕食で日本酒をたしなむので、酔いがさめる深夜(2時以降)にも入浴できれば言うことないのですが、関西の温泉では入れないところが多いみたいですけれど、これは難しいのでしょうね。