それは9月6日未明のこと、警報音と非常灯で目覚めると10秒ほど続く強い揺れ。13年前の福岡県西方沖地震ほどではないが、もっとひどくなると天井が落ちるかも、と思ったときに終わりました。宿に被害はないようですが停電が回復しない。スマホは使えるのでradikoでニュースを聞くのですが、電池がみるみる減っていきます。
　当日は富良野へ移動する予定でしたが立体駐車場の車が出せず、やむなく電力回復を待つことにしました。驚くことに午後2時前に「昼食」の案内がありました。温泉街のコンビニは暗がりの中営業しているのですが、食べ物は次々に売り切れていきます。困り果てた客を見かねたマネージャーの判断なのでしょうか。
　夕刻になって電力が一部回復し、車を出すことができました。しかし当日宿泊予定の宿からキャンセルの申し出があり、空港も閉鎖されて行くあてない状態に。やむなくもう一泊のお願いをすると快く受けてくれました。「西館を使ってください」というのですが、なんと西館の部屋は電気が使える！のです。
　急ぎ引っ越しです。メガネのイケメンの若いスタッフが付き添ってスーツケースを運んでくれます。東館5階から西館4階へは1階のロビー経由、階段での移動は結構大変ですから助かりました。そしてその西館の部屋、テレビが見られるし、バッテリー残量を気にせずスマホ使えるってなんて素晴らしい！明けて7日朝、信号が消えた交差点での大事故を目撃しつつ新千歳空港にたどり着き、嬉しいことに午後の福岡便に乗ることができました。
　北海道旅行は予定の半分で終わってしまいましたが、第一滝本館には感謝の一言です。停電のさなか多数の宿泊客の面倒を見るのは想像を絶する難事です。まっ暗な廊下に立って懐中電灯でレストランまで案内してくれたスタッフ、食事のあと「ありがとうございます！」と元気に挨拶してくれた、少々お腹が出たおじさんの笑顔が思い出されます。
　電力なしで提供できるメニューの検討や人員配置など、睡眠時間も犠牲にして考えてくれたのでしょうし、客優先で食べていないかも。そう思うと胸が熱くなります。客保護に全力を挙げる姿勢が見えました。宿も人間と同じで、非常時にその実力が明らかになります。またお世話になりたいと思います。

評価

• 総合5
• サービス5
• 立地5
• 部屋5
• 設備・アメニティ5
• 風呂5
• 食事5

旅行の目的

レジャー

同伴者

家族

宿泊年月

2018年09月